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【図でわかる】定期保険に解約返戻金はある?ない?

生命保険

公開日:2024年8月7日

定期保険に解約返戻金はある?ない? 悩んでいる女性

「定期保険に解約返戻金はあるの?」

そんな疑問にお答えします。
”定期”という言葉から定期預金と混同して、なんとなくお金が貯まるイメージを持つ人もいますが、間違いですので注意しましょう。

定期保険は「保険期間が定められ、かつ満期時の返戻金がない」という仕組みの保険です。どんな定期保険でも満期に返戻金がゼロ円になるのは共通しています。だだし、 途中の解約返戻金については、定期保険の保険期間や種類などによって違いがあります。

そんな定期保険の解約返戻金のしくみについて、図解でわかりやすく説明します。

1. 保険期間が短く契約返戻金のない定期保険

最初に、一番ポピュラーな掛け捨ての定期保険として、保険期間が短めの10年満期(更新型)の定期保険について説明します。

1-1. 一般的な掛け捨ての定期保険のしくみ

この商品は、 途中の解約返戻金がない(ゼロ円)か、あってもごくわずか という特徴があり、掛け捨ての死亡保険の代表選手です。

一般的に定期保険ということこの商品を意味している場合が多く、 掛け捨てであることと、保険料が割安 なことが特徴です。


10年満期(更新型)の定期保険

近年は、途中の解約返戻金をゼロ円とすることで、保険料を更に安く押さえられる無解約返戻金型というタイプの定期保険が多くなっています。

1-2. 掛け捨ての定期保険は、どんな人に向いているの?

掛け捨ての定期保険は、保険料が割安なことが特徴です。ですから、例えば 小さな子供がいる一家の大黒柱の人など、高額の死亡保障が必要な人 などに適しています。また、多くの保障を必要としない人や年齢の若い人などが、少額の保障を確保しておく場合にも活用できます。

2. 保険期間が長く解約返戻金のある定期保険

同じ定期保険でも、保険期間が長いタイプの商品もあり、 長期定期保険 などと呼ばれています。

2-1. 解約返戻金のある長期定期保険のしくみ

この商品は、 段々と解約返戻金が高くなっていき、一定の年数が過ぎるとまた下がっていく 、という特徴があります。保険期間は、30年間などの期間を設定する方法や、95歳までや99歳までなど、年齢で設定する場合もあり、商品によってこうした条件が異なっています。


保障期間の長い定期保険

2-2. 解約返戻金のある長期定期保険は、どんな人に向いているの?

長期的保険は、 長期間の保障の確保が必要となるような経営者の保険 として活用されたり、また、解約返戻金がピークとなる時期に解約することも視野に 、 死亡保障と貯蓄を兼ねて活用 する場合もあります。

3. 他にもある!様々な特徴のある定期保険

その他の定期保険についてみていきましょう。

3-1. 低解約返戻金型長期定期保険とは?

「低解約返戻金型」とは、 途中の解約返戻金を低く抑えることで、一定期間後の返戻率がグッとアップする 保険商品のことを言います。解約返戻金が低いのは途中までで、一定期間後は返戻率が上がるため、貯蓄としての機能がより重視された定期保険です。


低解約返戻金型 長期定期保険

3-2. 引受基準緩和型(限定告知型)の定期保険

引受基準緩和型(限定告知型)とは、加入時に告知する健康状態についての質問項目を少なくするなど、引き受けの基準を緩和することにより、 持病のある人や入院歴のある人でも加入しやすくなっている 保険商品のことです。引受基準緩和型の定期保険とは、その特徴を備えた「定期保険」です。

解約返戻金については、通常の掛け捨ての定期保険と同様にほぼ無いか、無解約返戻金型で全くないのが一般的です。一部に低解約返戻金型の長期定期保険も存在しています。

商品によって、告知の項目が4つまたは3つなどの違いがあったり、入院歴の告知期間が2年前まで、または1年前までなど条件が異なっていたり、加入後一定期間の保障を半分にするものと最初から満額保障するものがあるなど、違いがあります。選ぶ際には比較して検討するといいでしょう。

この商品が向いている人とは、 持病があってもまだ子供が小さいなど死亡保障を必要としている人や、高齢の人で死亡保障を確保しておきたい人 などです。ただし、普通の定期保険に比べて保険料がやや割高となっています。年齢が高くても健康な人は、普通の定期保険の方から検討するようにしましょう。

4. 解約返戻金がないこと以外にもある、定期保険を選ぶときの注意点

定期保険とは一般的に、10年満期(更新型)商品のような掛け捨ての商品を意味しています。したがって、長期定期など一部の商品を除いて基本的に解約返戻金はありません。加入するときには貯蓄性はないと理解して加入しましょう。

保険料が割安なため手軽に活用できる利点もありますが、注意点としては、たとえば 10年更新型の場合は、10年ごとにその時の年齢による保険料になるため10年ごとに保険料がアップ する、ということがあげられます。若い時は低価格でも、高齢になると急激に保険料が上がるということを知っておきましょう。

また、 一定の年齢が来るとそれ以降は更新もできなくなり、保障が終了してしまう 、という点にも注意が必要です。その年齢と商品によって異なっています(75歳、80歳、85歳、90歳までなど)。加入時には、何歳まで更新できるのか、という点も確認するようにしましょう。

5. まとめ :一般的な定期保険には解約返戻金がない

最後に、定期保険と解約返戻金についてまとめました。参考にしてください。

  • 一般的な、保険期間の短い10年タイプの定期保険には、解約返戻金はほぼありません
  • 定期保険は解約返戻金がないことで保険料が低く抑えられているため、少額の保障が必要な人はもちろん、高額な保障が必要な一家の大黒柱の方なども活用できます
  • 保険期間の長い、解約返戻金のある定期保険もあり、貯蓄機能を活用できる商品もあります
執筆森田 直子

保険ジャーナリスト|有限会社エヌワンエージェンシー代表
保険・金融専門の執筆家で庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、経済紙記事、書籍「就業不能リスクとGLTD(共著)」ほか執筆実績多数。保険業界メールマガジンinswatch発行人。
※執筆者には当社が記事の執筆を依頼し、編集して掲載しています。

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