生命保険に加入するときや失効した契約を元に戻す(復活させる)とき、現在の職業や健康状態などについて、生命保険会社から聞かれたことに対して正確にありのままを答えなければなりません。これを告知義務といい、告知をする契約者および被保険者を告知義務者といいます。
告知義務は、生命保険の加入や見直しにあたって重要なポイントとなります。
1.生命保険の告知義務に関するQ&A
告知義務に関して、 よくある8つの疑問 をQ&A形式で以下にまとめました。保険の検討をする際には、しっかりチェックすることをおすすめします。
1-1.【疑問1】なぜ告知が必要なの?
生命保険は、多くの人が保険料を出し合ってお互いを助け合うしくみです。健康状態のよくない人や危険度の高い職業に就いている人が、健康状態に問題がない人や危険をともなわない職業の人と同じ条件で生命保険に加入できてしまうと、加入者に不公平が生じます。 告知義務を課すことで、加入者間の公平性を保っている のです。
1-2.【疑問2】ありのままを告げないとどうなるの?
故意または重大な過失により事実を告げない、あるいは事実と違うことを告知した場合は、 責任開始日または復活日から2年以内なら、保険会社は告知義務違反としてその契約を解除することができます。契約が解除されると、保険金は支払われません。
1-3.【疑問3】責任開始日から2年を超えていれば、告知義務違反があっても問題はないの?
告知義務違反があった場合でも、 保険契約が2年間有効に継続していれば解除されません。 ただし、2年以内に支払事由が発生していたときは解除されることがあります。また、違反の内容が重大なときは、2年を超えていても「詐欺による契約の取り消し」(保険料の返還なし)となります。
以下の場合には、告知義務違反があっても契約は解除されません。
- 契約が2年を超えて有効に継続した場合
- 生命保険会社が解除の原因を知ってから1ヵ月以内に解除をおこなわなかった場合
- 生命保険募集人が事実を伝えることを妨害したり、告げないようにすすめていた場合
- 契約締結時に、生命保険会社が告知義務違反の事実を知っていたか、過失により知らなかった場合
1-4.【疑問4】どのようなことを告知するの?
告知内容は、生命保険会社や保険の種類などによって異なりますが、主として以下のようは項目となります。 自分から説明するのではなく、生命保険会社から聞かれたことに対して回答する形式 になります。
告知項目の例
- 現在の職業等(業種・業務内容)
- 現在の健康状態
- 過去5年以内の健康状態
- 障害の有無
- 妊娠の有無(女性のみ)
1-5.【疑問5】どうやって告知すればいいの?
告知の方法には、(1)告知書の記入、(2)医師・生命保険面接士の診査、(3)健康診断書等の提出があります。いずれの方法も、 告知義務者本人が行なわなければなりません。
(1)告知書の記入
告知義務者本人が、告知書にありのままを記入します。
(2)医師・生命保険面接士の診査
生命保険会社の指定した医師、生命保険面接士が告知書に基づいて質問した内容について、告知義務者本人がありのままを回答します。
(3)健康診断書等の提出
告知義務者本人が、告知書とともに健康診断書や人間ドックの結果を保険会社に提出します。
1-6.【疑問6】生命保険会社や保険代理店の担当者に口頭で伝えれば、告知したことになるの?
生命保険会社や保険代理店の担当者に伝えただけでは告知にはなりません。 上記1-5で案内した「(1)~(3)」の方法で告知をおこなってください。
1-7.【疑問7】告知義務違反の内容とは関係のない事故などで亡くなった場合でも、保険金は支払われないの?
死因と告知義務違反の内容にまったく因果関係がなければ、保険金は支払われます。
1-8.【疑問8】うっかりして告知がもれていたことに気づいたら、どうすればいいの?
うっかりミスであっても告知義務違反になる可能性があります。 そのまま放置せず、保険会社に連絡してください。
2.まとめ:生命保険の告知は事実をありのまま、正確にもれなく!
生命保険の契約者や被保険者には、 職業や健康状態などについて正しく答える義務 があります。事実と異なる情報を告知した場合は、故意でなかったとしても契約の解除となり、保険金が支払われなくなります。告知は、「事実をありのまま」、「正確にもれなく」行ってください。