がん保険の免責期間とか、生命保険における自殺の免責期間とか、「免責期間」という言葉を聞くことがあります。
免責期間とは、一般的に、保険において何らかの条件のもと保障されない期間が定まっている場合の、その期間のことを言います。
せっかく保険に入ったのに、出ると思っていた保険金や給付金が出ずに「こんなはずではなったのに・・・」という思いをしてしまうことがないよう、保障されない条件や期間は正しく理解しておく必要があります。この記事では、免責期間がどのようなものかをわかりやすく説明しますので、ぜひお読みいただき、ご自身の保険の保障内容の理解にお役立てください。
1.保険の免責期間とは?
免責期間とは、保険金や給付金の支払い対象となるようなことが起こっても、一定の条件により保険金等の支払いが免除される期間のことです。
免責期間は、契約のしおりや約款などに記載されていますので、加入前からよく確認しておく必要があります。
2.がん保険の待ち期間(免責期間)
通常、がん保険には、加入してから保障が始まるまで90日または3ヵ月の待ち期間[待機期間]があり、この期間内にがんと診断確定されても給付金は出ません。
待ち期間[待機期間]は、まだ保障が開始されていないため、免責とは少し意味合いが異なりますが、一般的に免責期間と言われてています。この記事でも、これ以降、待ち期間のことを免責期間と表記します。
2-1.免責期間がある理由
がん保険に免責期間がある理由は、体に不調等があってもそれを隠してがん保険に加入し、加入直後に病院にかかり診断確定されて給付金を得るといった請求を防止するためや、がんであることが本人に告知されていないケースがあるためだといわれています。また、自覚症状がなく病院にもかかっていないので、がんに罹患していることを気が付かずに加入してしまうケースもあるでしょう。
ただし、最近では、この免責期間がないがん保険も一部に販売されています。早く保障を開始したい場合は、そのような保険を探してみるとよいでしょう。
2-2.免責期間に関する注意点
がん保険には、免責期間があるからこその注意点があります。
2-2-1.免責期間中にがんになったらがん保険は無効!
がん保険の免責期間中にがんと診断確定されたときは、保険自体が無効
となります。 この場合、それまでに支払った保険料は払い戻されます。
また、加入以前にがんと診断確定されていた場合は、保険契約者や被保険者がそのことを知らなかったときは保険料が戻りますが、いずれかが知っていたときは戻りません。
2-2-2.がん保険の見直し時は、解約タイミングに要注意!
がん保険に入っていても、もっといいがん保険が販売されて入り直したいということもあるでしょう。そんなときには、 まず新しいがん保険に加入し、その保険の免責期間が終了して保障が始まるまでは、古いがん保険は解約してはいけません 。なぜなら、古いがん保険解約後、新しいがん保険の免責期間中にがんになってしまったら、どちらの保険からも保障を受けられないということになってしまうからです。
がん保険の見直し時には、無保障期間を作らないように注意しましょう。
4.医療保険における免責期間
現在売られている医療保険のほとんどは入院給付金が1日目から給付されますが、以前は入院5日目からなどと給付に制限がついているものが一般的でした。この医療保険の入院給付金が出ない日数は、支払要件に該当していないものですが、一部で免責期間と呼んでいる場合があります。
また、短期間の入院は保障せず長期入院のみを保障するタイプの保険も販売されており、そのような保険では、例えば、入院から60日が免責期間で61日目以降から入院給付金が支払われるという商品もあります。
5.まとめ:免責期間だけでなく、免責事由や支払条件を把握しよう!
保険の免責期間がどのようなものであるかおわかりいただけたと思ます。しかし、免責期間というのは、数多くある免責事由(免責となる条件)のうち、期間が決まっているものについて指し示しているにすぎません。契約者や被保険者の故意や重大な過失、戦争など、 もっといろいろな免責事由について幅広く把握しておくことが大切 です。
またそれ以上に、そもそも どんなときに保険金や給付金が支払われるのかという、支払いに該当する条件を理解しておくことが重要 です。
いざ保険金を請求したときに、給付されずに困ってしまうことがないように、加入しようとする保険の保障内容については契約前に必ずしっかりと確認するようにしてください。