更新日:2025/01/15

医療費控除|保険金を受け取ったときの扱い&計算法【事例つき】

#医療保険
保険金を受け取ったときの医療費控除の計算方法

1年間の医療費が高額(一定額以上)になったときに 税金が安くなる「医療費控除」 。医療費の負担をおさえるためにもしっかりと活用したい制度です。

しかし、いざ申告のために計算しようとして、治療に関して保険金を受け取っている場合の医療費控除の計算の仕方がわからず、頭を悩ませる人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、保険金をもらったときの医療費控除について、仕組みや計算方法、注意点などをわかりやすく解説していきます。

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1. 医療費控除と保険金

まずは医療費控除のしくみ、控除額の計算方法と保険金の関係について整理していきましょう。

1-1. 医療費控除とは

医療費控除とは、 1年間にかかった(実際に支払った)医療費が一定額以上になった場合に、所得税の軽減を受けられる もので、「所得控除」という制度の一部にあたります。医療費控除を受けるためには、確定申告(または還付申告)を行います。

対象となる医療費には、病院にかかったときの治療費や処方せんの薬代などのほか、市販薬の購入費なども含まれます(ビタミン剤など病気の予防のための費用は対象外)。また、医療費控除を申請する際には、自分にかかった医療費だけでなく、生計をともにする家族のために支払った医療費も合わせて計算できます。

1-2. 医療費控除の控除額の計算方法

医療費控除の控除額は以下の計算式によって求められます。

医療費控除額(上限200万円)
=1年間の医療費の合計額-保険などで補填される金額-10万円※

※総所得金額200万円未満の人は総所得金額の5%

この計算式からも分かるように、保険金を受け取った場合には、 かかった医療費からその保険金分を差し引いて医療費控除を申請 しなければなりません。つまり、純粋に自腹で負担した分だけが控除の対象となるということです。

なお、 医療費控除で実際に軽減される税額は「医療費控除額 × 所得税率」 で算出することができます。

1-3. 差し引く必要がある金額は?

医療費控除額は「保険などで補填される金額」を差し引いて計算する という説明をしましたが、この「保険などで補填される金額」としては以下のものが含まれます。

保険などで補填される金額に該当するもの

  • 生命保険や損害保険から受け取る保険金や給付金など

  • 社会保険から支給される給付金(高額療養費、出産育児一時金など)

  • 医療費に対する損害賠償金(事故などで相手からもらう場合など)

  • 任意の互助組織から受け取る給付金(会社からのお見舞いなど)

2. 保険金を受け取るときの医療費控除の計算事例

実際に軽減されるお金は「医療費控除額×所得税率」という計算式で求められますが、これを求めるためには大きく3つのステップを踏む必要があります。

具体例と共にこの点を確認していきましょう

【ケース1】Aさん(会社員、年収600万円)

[医療費(1)]Aさんにかかった年間の医療費=5万円
[医療費(2)]Aさんの妻にかかった年間の医療費=25万円
[保険金]医療費(2)に対して5万円

【ステップ1】医療費控除額を計算する

医療費控除額
=年間の医療費合計額(5万円+25万円)-保険などで補填される金額(5万円)-10万円

=15万円

 

【ステップ2】課税所得から所得税率を確かめる

所得税率は、課税所得に応じて定められています。そして課税所得は、会社員で給与所得のみの場合、「総所得(年間の収入-給与所得控除)-各種所得控除」という計算式で求められます。ここで仮にAさんの課税所得を460万円とすると、以下の所得税の速算表(平成27年度以降)から、所得税率は20%だということがわかります。

■所得税の速算表

課税される所得金額 税率 控除額
195万円未満 5% 0円
195万円以上 330万円未満 10% 97,500円
330万円以上 695万円未満 20% 427,500円
695万円以上 900万円未満 23% 636,000円
900万円以上 1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円以上 4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

 

【ステップ3】医療費控除額と所得税率を掛け合わせる

ここまでの手順で医療費控除額と所得税率が出揃ったので、最後にこの2つを掛け合わせます。

医療費控除額(15万円)×所得税率(20%)=3万円

したがって、医療費控除額を申告したときに実際に手元に戻ってくるお金の目安額は3万円ということになります。

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3. 保険金を受け取るときの医療費控除の注意点

保険金等を受け取った場合は、医療費控除額の計算においてその金額を差し引きますが、受け取った保険金の額や治療のタイミングによっては計算に注意が必要です。ここからは、それらの注意が必要なケースについて説明していきます。

3-1. 保険金額が医療費を超える場合

ケガや病気をして受け取った保険金の金額が、治療にかかった医療費よりも多いということはありえます。その場合、医療費控除はどうなるのでしょうか?この点についても、具体例に即して見ていきましょう。
なお、かかった医療費はいずれも自己負担額とします。

【ケース2】Bさん(会社員、年収500万円)

[医療費]病気入院により 20万円
[保険金]上記医療費に対して 30万円

この場合、 年間の医療費よりも保険金による補填額の方が多く、実質的に自己負担はゼロで済んでいるので、医療費控除は受けられません。

 

【ケース3】Cさん(会社員、年収500万円)

[医療費(1)]病気入院により 20万円
[医療費(2)]歯の治療により 15万円
[保険金]医療費(1)に対して 25万円

Cさんのケースで問題となるのは、医療費(1)で実際に支払った医療費よりも大きい金額の保険金を受け取っていますが、その 超過部分である5万円(20万円(医療費(1))- 25万円(保険金)) を、医療費(2)から差し引く必要があるのかどうかということでしょう。もしそうであるとすれば、15万円(医療費(2))-5万円(超過分)- 10万円=0円となるため、医療費控除は受けられないことになります。

しかし、医療費からの保険金などによる補填分の差し引きは、 その補填の対象となる医療費ごとに行われ、他の医療費からは差し引かない ことになっています。つまりこのケースで言えば、医療費(1)による保険金の超過分を医療費(2)から差し引く必要はないということです。そのため、 医療費(2)の分の15万円-10万円=5万円は医療費控除の対象 となります。

3-2. 年をまたいで翌年に保険金をもらう場合

12月に入院・手術を行って医療費を支払い、それに対する保険金を翌年にもらうということは十分に起こりえます。その際の医療費控除は、以下の2つの場合があります。

3-2-1. 保険金額が確定している場合

確定申告を行う時点で 受け取る保険金額が確定している場合は、受け取っていなくてもその分の金額を医療費から差し引きます。 たとえ年をまたいで受け取ったとしても、かかった医療費と同じ年分としてその医療費から差し引きます。

3-2-2. 保険金額が未確定の場合

医療費を支払った年分の確定申告をする時点で、 保険金額がまだ確定していない場合には、受け取る保険金額を見積もって、医療費から差し引きます。

なお、後になって、確定した保険金額が見積もり額と異なった場合には、さかのぼってその年分の医療費控除額を訂正する必要があります。保険金が見積もりより多かった場合は、修正をして税金を追加で支払うことになります。逆に見積もりより少なかった場合は、払いすぎた税金を還付してもらいます( 4-1-2 および 4-2 で解説)。

3-3. 年をまたいで医療費が発生した場合

たとえば、12月から翌年の1月まで入院し、それぞれの月に入院費を支払い、その後にまとめて保険金を受け取ったというようなケースでは、 かかった医療の金額に応じて、各年分にあん分して、それぞれの医療費から差し引きます。

年をまたいだ医療費とその保険金があるケース

<医療費>
12月  5万円
翌1月 10万円

<受け取った保険金>
6万円

上記ケースで、12月分の医療費、1月分の医療費について、それぞれその年の医療費控除を受ける場合、保険金は12月、1月の医療費の額に応じて按分して控除します。

12月に該当する保険金額: 6万円×5万円÷(5万円+10万円)=2万円
1月に該当する保険金額: 6万円×10万円÷(5万円+10万円)=4万円

したがって、医療費控除を申請する場合のこの治療についての医療費額は

12月分: 5万円-2万円=3万円
  1月分: 10万円-4万円=6万円

となります。

以上は、国税庁WEBサイトの「関連する質疑応答事例」の回答に基づいて作成しています。

手術をしていて手術給付金を受け取っている場合等、受け取っている給付金の種類や給付条件によっては、按分方法がかわってくる場合があります。個別事例での按分方法については、お住いのエリアを管轄する税務署にお問い合わせください。

4. 医療費控除の申告漏れや間違いのあった場合

医療費控除の申告をしていなかったり、申告内容を間違えてしまったことに気づいた場合はどうすればいいのでしょうか。ありがちな2つのケースを見ていきます。

4-1. 医療費控除を申告していなかった

もともと確定申告をする必要がない会社員等が医療費控除を申告していなかったときと、確定申告をしたけど、医療費控除が漏れていたときで少し対応が変わります。

4-1-1. 会社員等が医療費控除を忘れていたとき

会社員等で確定申告をしなくてよい人が、大変そうだから医療費控除をしていなかった。けれども、前年に高額な医療費を負担していて、実は医療費控除で多くの税金が戻ってくることを知り、やはり医療費控除をしたいと思うこともあるでしょう。

ご安心ください。このようなケース等で医療費控除のみを行うことを 還付申告 といいますが、 還付申告は確定申告の期限とは関係なく行うことができます。 還付申告の期限は、 対象となる年の翌年1月1日から5年間 で、その間であればいつでも申告して構いません。前年ではなく3~4年前の医療費の支払いについても、領収書などが残ってさえいれば、これから申告することが可能です。

また、 3-2-2 で受け取る保険金額が確定していない場合に見積額で申告するというケースがありましたが、会社員等で確定申告不要な方であれば、還付申告の期限は5年ありますので、保険金の額が確定するまで待ってから医療費控除の申告をするという手もあります。

4-1-2. 確定申告をしたのに医療費控除を忘れていたとき

確定申告をしたのに医療費控除の申告を忘れていた場合には、一旦申告したものを訂正する手続きとして 更生の請求 を行うことで税金の還付を受けることができます。

更生の請求は、税金を多く申告してしまったり、還付金を少なく申告してしまったりしたときなどに、既に提出した確定申告の内容を修正する手続きのことです。この手続きは、法定申告期限日(土日が重ならなければ原則として毎年3月15日)から 5年以内であれば可能 なので、ある程度の還付金が見込めるのであれば、更生の請求を行うとよいでしょう。

4-2. 申告したものの保険金を差し引くのを忘れていた

医療費控除額の計算では受け取った保険金などを差し引く必要がありますが、つい忘れてしまったなんていうこともあるかもしれません。そういった場合には、 修正申告 を行います。 修正申告は、税額を実際よりも少なく申告していた場合、還付金を多く申告してしまった場合に行うもので、保険金の差し引きを忘れた場合には、この修正申告をする必要があります。修正申告も、更生の請求と同様に、 法定申告期限日から5年間 することができます。

多く納税してしまった場合には「更正の請求」を、本来払うべき税金より少なく納税した場合は「修正申告」を行うと覚えておきましょう。そのほかの申告ミスがあった場合も、税額を多く申告したか少なく申告したかによって、更正の請求、修正申告を行うことになります。

5. まとめ:医療費控除の計算では保険金を差し引くことを忘れずに

医療費控除は正味の自己負担金のみに適用されるため、控除額を計算するにあたっては保険金を受け取った分について差し引かなければなりません。ただし、複数の医療費を支払った場合には、それぞれの医療費ごとにその補填分を差し引く点には注意しましょう。

もし計算を間違って申告してしまった場合には、更正の請求や修正申告が必要となりますので、この記事を参考に仕組みをおさえて、正しく医療費控除を申告するようにしてください。

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執筆株式会社 回遊舎

編集・制作プロダクション
金融を専門とする編集・制作プロダクション。多数の金融情報誌、ムック、書籍等で企画・制作を行う。保険、身近な家計の悩み、投資、税金、株など、お金に関する幅広い情報を初心者にもわかりやすく丁寧に解説。
※執筆者には当社が記事の執筆を依頼し、編集して掲載しています。

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