新NISAはいくらから始められる?収入別の積立額設定方法も解説

NISA

公開日:2025年3月11日

新NISAはいくらから始められる?

制度が刷新され、より使いやすくなった新NISA。新NISAは「いくらから始められるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、新NISAの最小積立額や、無理なく積み立てを続けるための方法を解説します。また、少額からでも着実に資産を形成するためのシミュレーションを交え、積立額の設定方法についてもお伝えします。自分に合った投資額を見つけて、資産形成を始めましょう。

新NISAは最低いくらから始められるか

まずは新NISAでは毎月最低いくらで投資できるかを確認していきましょう。

この目次でわかること

  • 新NISAの最低積立額
  • 積立額の上限

新NISAの最低積立額

少額から気軽に投資を始められる点が新NISAの魅力の一つです。 金融機関によって最低積立額は異なりますが、一般的に新NISAは100円からスタートすることが可能 です。少額であっても、長期間続けることで着実な資産形成へとつながります。

積立額の上限

新NISAの年間積立上限は、 成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円、全体で360万円 となっており、旧NISAから大幅に引き上げられました。

旧NISAのつみたてNISAでは、毎月およそ3万3333円を積み立てると年間上限投資額である40万円を使える計算だったのに対して、新NISA制度では毎月最大10万円を積み立てられることになります。

新NISAの積立額の決め方

新NISAで投資をする際に積立額はどのように考えればよいのでしょうか。積立額を決める際に重視すべきポイントを解説します。

この目次でわかること

  • 自分に合った積立額の設定方法

自分に合った積立額の設定方法

積立をしていくうえで大切なのは、無理なく続けられる積立額を設定することです。

まずは自分の収入や支出を見直し、生活費に影響を与えない金額を設定しましょう。初めは無理に大きな額を設定せず、少額でも問題ありません。余裕がでてきたら徐々に増やしていくというように設定していくとよいでしょう。

少額でも資産を形成できる理由

「少額だと投資してもあまり意味ないのでは?」と思われるかもしれませんが、少額投資でも積み重ねればきちんと資産形成が可能です。

この目次でわかること

  • 複利効果の恩恵を受ける
  • 長期投資の重要性

複利効果の恩恵を受ける

投資での利益を再投資し、さらに利益を生み出す 「複利効果」は、少額の投資でも時間をかけることで大きな結果を生むことができます。 複利効果により、月々の積立額が少額でも、長期間投資を継続することで、効率的に資産を積み上げていくことが可能になるのです。

長期投資の重要性

積み立てを長く続ければ続けるほど、複利効果も上がっていきます。反対に長期間積み立てることなく途中でやめてしまうと、せっかく複利効果も弱まってしまいます。 少額投資する場合には、長い目でじっくりと投資をしていくことが何よりも重要 になります。

少額からの積立の効果

では、少額でも毎月積み立てをした場合、どのくらい資産形成ができるのか、具体的なケースとともに見ていきましょう。

この目次でわかること

  • 毎月3000円の場合
  • 毎月100円からの積立

毎月3000円の場合

たとえば毎月3,000円を年利3%の複利運用で20年間積み立てるケースを考えてみると、元本の合計は72万円、最終的な積立額は約98万円となります。約26万円の利息が得られるので、元本から約36%増加した計算になります。

毎月100円からの積立

さらに少額の毎月100円のケースを想定してみましょう。同様に年利3%の福利引用で20年間積み立てるとすると、元本の合計は2万4000円、最終的な積立額は約3万2700円となり、約8700円の利息が得られます。わずかな積立額であっても、長期的に積み立てればたしかに複利効果が得られることが分かります。

収入に応じた積立額の設定方法

収入に応じて柔軟に積立額を設定することが、資産形成を無理なく進めるポイントです。

この目次でわかること

  • 収入の何%を積み立てるべきか
  • 生活費に余裕を持たせた積立額

収入の何%を積み立てるべきか

収入が安定してきたら、積立額の目安として月収の10%程度を設定する方法が一つの指針となります。たとえば月収30万円の場合、月3万円を積立額として設定することができます。

生活費に余裕を持たせた積立額

積立額を設定する際には、 必要な生活費を差し引いた余剰資金を積み立てに回すというのが基本 です。積立額を高く設定したあまりに生活に支障をきたしては元も子もありません。

余裕を持って投資を続けるうえでは、生活費を十分に確保した上で、余剰分を無理なく積み立てるのが鉄則です。

積立額を増やすタイミングと方法

ずっと一定額を積み立てるのではなく、タイミングを見て積立額を増やしていくことも重要です。どのようなタイミングで積立額の増加を検討すればよいのでしょうか。

この目次でわかること

  • 収入が増えたタイミング
  • 支出が減ったタイミング

収入が増えたタイミング

収入が増えた場合、そのタイミングで積立額を増やすことは資産形成を加速させる有効な方法です。例えばボーナス支給時に一時的に積立額を増やすことで、資産形成を効率的に進めることができます。

支出が減ったタイミング

支出が減少した場合、その余った資金を積立額に回すことで、より効果的に資産を形成することができます。生活費が安定しているときや支出の見直しを行った際に、積立額を増やすことができます。

積立NISAを続けるための心構え

積立NISAを活用するには、途中でやめずに継続することが大切です。短期的な値動きに一喜一憂せず、じっくりと長期運用を続ける姿勢が成功につながります。

この目次でわかること

  • 少額からでも続ける重要性
  • 長期的な視野で見る

少額からでも続ける重要性

新NISAを活用する上で、 大切なのは少額からでも始めて、続けること です。少額でも積み立てを続けることで、時間が経つにつれて複利効果が働き、長期的に大きな資産を形成できます。

長期的な視野で見る

新NISAの最大の強みは「長期的な運用」。短期的なリターンにとらわれず、長期視点でコツコツと積み立てることが鍵となります。また、上で説明したように、長期間通しをすることで、複利効果の恩恵をより受けられます。

まとめ

新NISAは、月100円からでも始められ、少額でも続けることが資産形成には重要です。無理なく積立額を決め、複利効果を最大限に活用することで、長期的に安定した資産形成が可能です。自分の収入や生活状況に応じて積立額を調整し、無理なくコツコツと続けることが成功への第一歩です。今すぐにでも少額から投資を始め、資産形成をスタートしましょう。

執筆酒井 富士子

経済ジャーナリスト/金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。 リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりも分かりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説。近著:「知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本」楽天kobo電子書籍awardの大賞を受賞。