2025年6月12日

公務員のiDeCoの上限額は?メリット・デメリットも解説

#iDeCo
公務員のiDeCo

公務員もiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できますが、掛け金の上限は月2万円(年間24万円)と少し低めに設定されています。これは、公務員の年金制度が手厚いことが影響しています。本記事では、公務員のiDeCoの上限額や仕組み、メリット・デメリットをわかりやすく解説。NISAとの違いも比較し、公務員が老後資産を効率的に増やす方法を紹介します。

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公務員のiDeCoの掛け金上限はいくら?

公務員のiDeCoの掛け金の上限額は現在、月2万円(年24円) です。以前は公務員の掛け金の上限額は1万2000円とかなり低く設定されていましたが、2024年12月からは2万円に引き上げられました。さらに、今後は5万4000円まで大幅に引き上げられることが予定されています。

この目次でわかること

  • 公務員のiDeCoの掛け金上限額
  • なぜ公務員のiDeCo上限は低いのか?

公務員のiDeCoの掛け金上限額

iDeCoは働き方によって掛け金の上限額が設定されています。公務員の掛け金を他の働き方との比較と共に表で確認してみましょう。

iDeCoの掛け金上限

なぜ公務員のiDeCo上限は低いのか?

現在の公務員の掛け金上限額は企業年金がない会社員と同じ月2万円に設定されています。

以前は月1万2000円と他の働き方に比べて低い上限額でした。また、 今後予定されている公務員の上限額は月5万4000円と大幅に引き上げられますが、同時に自営業者は月7万5000円、会社員は月6万2000円まで引き上げられます。

公務員が他の働き方よりも掛け金の上限額が低く設定されているのは、 公務員は年金が手厚く、退職金制度も充実しているから です。

自営業者・フリーランスの掛け金の上限額が最も高く設定されているのは、厚生年金に加入できない分をiDeCoで補えるようにするためです。制度の公平性を考慮して、それぞれの働き方に見合った上限額が設定されています。

ですが、現在では公務員の年金や退職金も縮小傾向にあります。そのため、その分を補うためにiDeCoの掛け金が徐々に高くなってきているのです。

iDeCoを利用するメリット・デメリット

iDeCoは毎月、投資信託などの金融商品にお金を積み立て、自分の年金を準備するための制度です。そもそもiDeCoを利用するメリットはなにか、デメリットはあるのか、基本の部分から解説します。

この目次でわかること

  • 節税効果が大きい
  • 運用時にも税制優遇がある
  • 長期運用で資産を増やせる

iDeCoを利用するデメリット

節税効果が大きい

iDeCoの一番のメリットは節税効果が大きいこと です。

月々の掛け金を設定して、毎月積み立てていきますが、この掛け金が全額所得控除になります。つまり、 その年の所得税と翌年の住民税が軽減されます。

また、 受け取るときにも税制優遇があります。 iDeCoの積立金を年金形式で受け取る場合は 「公的年金控除」が適用され、公的年金とiDeCoの年金が65歳未満は年60万円まで、65歳以上は年110万円まで、控除が適用され税金がかかりません。

一括で受け取る一時金形式の場合は、 「退職金所得控除」が適用され、場合によっては全額非課税になることもあります。

この 2つの節税効果はNISAにはなく、iDeCo特有の大きなメリット です。

運用時にも税制優遇がある

iDeCoは運用時も、NISAと同様に 運用益(増えた分)が非課税になり、税金がかかりません。

通常、投資信託などで運用すると約20%の税金がかかりますが、これが非課税になります。また、 分配金や預貯金の利息も非課税 になります。

iDeCoは 「積み立て時」「運用時」「受け取り時」の3つのタイミングで税制優遇があり、節税効果が大きい制度 です。

長期運用で資産を増やせる

iDeCoは原則60歳まで引き出せないという縛りがあり、 長期投資が前提の制度 です。投資できる運用商品も投資信託、保険、預貯金で長期投資に向いている商品が揃っています。

iDeCo公式サイトの「 かんたん税制優遇シミュレーション 」によると、 年収500万円の人が30歳から65歳までの35年間、毎月5万円ずつ積み立てると積み立て総額は2,100万円 になり、その際の 節税総額は386万8,375円 になります。

iDeCoを使わずに預貯金で貯蓄をしていたらこの約386万円はありませんから、iDeCoの節税効果の高さが実感できます。

また、運用商品で投資信託を選べば、受け取る総額がさらに増える可能性もあります。

iDeCoを利用するデメリット

iDeCoの一番のデメリットは60歳まで引き出せないこと です。

掛け金の積み立ての停止は可能ですが、途中解約は不可となっています。そのため、急な出費があったときに資産をすべてiDeCoに回していると対応できなくなってしまうかもしれません。

iDeCoは長期投資に向いている制度なので、若いうちから始めるとメリットが大きい ことは確かですが、生活防衛資金が貯まっていないのにiDeCoにお金を回しすぎるのは最適ではありません。

iDeCoとNISAの比較:どちらを選ぶべき?

気になるところである、実際のところiDeCoとNISAのどっちを使うべきか?を2つの比較表と共に見ていきましょう。

この目次でわかること

  • iDeCoとNISAの違い
  • iDeCoとNISAを併用するのも手
  • iDeCoが向いている人
  • iDeCoが向いていない人

iDeCoとNISAの違い

iDeCoとNISAにはそれぞれ良いところがあります。2つの特徴を簡単に比較表にすると次のようになります。

iDeCoとNISAの特徴比較表

iDeCoとNISAを併用するのも手

比較表からもわかるように、引き出せる時期や投資対象商品などではNISAの方が自由度が高く、柔軟に資産運用をしたいならNISAの方が有利です。

一方で、 節税効果に目を向けるとiDeCoの方が有利 です。とくに、積み立て時の節税効果は数十年続けば数百万円になることもあるので、制限が強いiDeCoにもメリットは充分にあります。

また、iDeCoとNISAはどちらかしか使えないわけではないので、資産運用に回せるお金の中でうまくバランスを取って併用するのも手です。

2つの制度をうまく使いながら、老後資産と中期資産を賢く準備しましょう。

iDeCoが向いている人

安定した収入があり、 60歳まで資産を拘束されても問題ない人はiDeCoに向いています。

とくに高所得者ほどiDeCoのメリットは大きくなります。というのも、所得税や住民税は所得が上がるほど税金も高くなる累進課税が採用されているので、iDeCoの掛け金が所得控除になる節税効果も大きくなるからです。

また、 老後資産をコツコツ増やしたい人にも向いています。 iDeCoは長期的な資産運用を前提とした制度なので、短期的な売買はできませんし、iDeCoで購入できる商品もコツコツ積み立てていくことに向いている特徴の商品が揃っています。

投資の状況に日々、一喜一憂したくないという人はiDeCoが向いています。

iDeCoが向いていない人

すぐに使える資産を増やしたい人や、そもそも生活防衛資金の貯蓄がまだできていない人にはiDeCoは向いていません。 60歳までは引き出せないという制限があるからです。

また、市場の上がり下がりを見ながら積極的に投資を行いたいという人にもiDeCoは向いていません。

ちなみにNISAでは成長投資枠を使って株式を購入することができますが、NISAも基本的には中長期的な資産形成のための制度です。

年間の投資可能上限額があるので、デイトレードなどの短期的な資産運用には不向きです。

iDeCoは老後資産のため、NISAは中長期的な資産形成のために用意された制度 だということはあらかじめ理解しておきましょう。

まとめ

公務員のiDeCoの掛け金上限は月2万円と低めですが、節税メリットを活かしながら老後資産を準備することができます。また、今後は大幅な上限額の引き上げも予定されています。ただし、60歳まで引き出せない点には注意が必要です。NISAとの違いを理解し、併用することで資産形成のバランスを取るのも良い選択肢です。自分に合った方法で老後の準備を進めましょう。

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執筆酒井 富士子

経済ジャーナリスト/金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。 リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりも分かりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説。近著:「知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本」楽天kobo電子書籍awardの大賞を受賞。